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2016年6月14日 (火)

だって地球は丸いんだもん

前に、少年時代に推理小説、特にシャーロックホームズのシリーズにハマった、ということを書かせていただいた。その頃の僕は、図書室に備えられていたSF小説にも夢中になった。とはいえ小学校の図書室である。ハインラインやアシモフなど難しいものはなく、置いてあったのは古典と言えるヴェルヌやウェルズ、他はバローズくらいであった。その中で、僕は特にヴェルヌに夢中になった。「海底二万マイル」や「月世界旅行」など、わくわくしながら読んだ。そのヴェルヌの全集の中に「80日間世界一周」というものがあった。これはSFと言うよりは、むしろ冒険紀行小説と言っていいのかも知れない。ロケットや潜水艦などは登場しない。80日で世界一周できるかどうか、という賭けをした男が世界一周する物語なのだ。今は、その気になれば一周するだけなら1日で世界一周してしまうが、この作品が書かれたのは1872年である。今のように交通手段が発達していない時代、まさに冒険につぐ冒険の物語なのである。名優デヴィッド・ニーヴン主演の映画でご存知の方も多いかも知れない。

この物語には日付変更線のトリックが用いられている。ウィキペディアにも書いてあるのでいいかとも思うが、ネタバレになるので、それ以上詳しくは書かない。ご興味のある方は、ぜひ本作品を読んでいただきたい。で、それを読んだとき、小学生の僕は頭の中がこんがらがった。東周りで日付変更線を越えると日にちは一日戻る。え?前の日になるの?じゃあ、ものすごい高速で地球をぐるぐる回れば昨日の昨日、過去に行けるタイムマシンができる!!

んなわきゃない。

当時から僕は地理が大の苦手。もともと自分には空間認識、空間把握能力がかなり欠如しているのではないかと思う。東西南北の方位もひとつひとつ考えないとわからない。直感的に把握できない。そんな僕だから頭がウニになってしまったのだ。

なんでそんな話を長々と書いたかというと、実は先日、外国生まれの人を鑑定する機会があったのだ。そこで地理が苦手な僕はまたしても頭がウニになってしまった。で、それを研究会で生徒さんに説明した。僕の生徒さんは理系の人は少なく、芸術家肌の女性が多い。生徒さんもウニになってしまった。ウニ頭の先生が説明するのだ。ウニになっても仕方がない。そこで少し整理してみよう。

そもそも、昔は外国生まれの人の生年月日時から命運を鑑定する機会は、とても少なかったのだ。江戸時代以前はもう皆無と言ってもいいかも知れない。しかし今はグローバルな時代である。簡単に海外に行けるし、また多くの外国人の方が日本に来られ出会うこともある。なにより電話やインターネットで瞬時に繋がることができる。なので外国生まれの人を鑑定するということが、今日的な課題として浮上するのである。

実は、これにはいろんな考え方がある。何も考えず日本人と同じように読む、という考え方もある。まあそれもありかな、とも思うがあまりにも芸がないので、僕は生時は現地の時間を採用するようにしている。紫微斗数の講義などで明石標準時から生地の時差を足し引きする、という説明をすると、たまに外国生まれの人は17時間引くのですか?という質問を受けることがある。いや、そうではなくて、そこが東京だろうとロンドンだろうとシドニーであろうと、産まれた場所の産まれた時間を採用するのである。ある人がカナダでお昼に産まれたとしよう。その人の産まれた瞬間、カナダはお昼であるが、日本では早朝となる(で、よかったかな)。でもあくまでその人はお昼に産まれたと考えるのである。ああ、書いててなんだか頭がウニってきたよう。

むかしむかし、四柱推命や紫微斗数が考え出された頃、地球は平らだった。地球の裏側に行くこともなかった(たぶん)。さらにもっと昔は、この人は朝に産まれたのか、昼に産まれたのか、夕方に産まれたのか夜に産まれたのか、その違いで人の運命の違いを見つけようと考えた(きっと)。まあ、朝昼晩ではあまりに大雑把なので、1刻(2時間)単位で産まれた時間を見よう、ということになった(おそらく)。

だから、その人が産まれた場所で示す時間を、その人の生まれ時刻とする、というのが今のところの僕の考えである。たとえば、ロサンゼルスで産まれた人は、きっと合衆国の太平洋標準時で生まれ時間を記憶しているだろうから、ロサンゼルスと太平洋標準時との時差を足し引きして生まれ時間を決定する。日本人の明石標準時との時差を足し引きするのと同じ理屈である。

さて、かなり頭がウニってきたが、さらに僕の頭をウニらせる日付の問題が生じる。ここでは紫微斗数が使用する太陰太陽暦(旧暦)を例にとって考えてみよう。太陰太陽暦は朔となる瞬間を含む日を一日(ついたち)と定めた暦である。平たくいうと、月が新月になったときの日を一日(ついたち)とする。だから朔日を「ついたち」と訓読みする。月が新月になる瞬間は地球上同時に起こるが、それが何日なのか、場所によってズレが生じる。だって地球は丸いんだもん。月が朔になる瞬間、ある場所では朝で、ある場所では昼で、ある場所では夜中だったりする。なので太陰太陽暦は、観測する場所で1日ズレてしまうことがある暦なのだ。もう頭の中はウニだらけである。日付変更線なんかだいっきらいだ!

要するに、外国生まれの人を見るときは、いつも使ってる暦とは別の暦を使う必要があるということなのだ(厳密に言うと別の暦を使う必要がある場合もある、ということなのだが)。でも、そうではなく外国生まれの人は、いつも使ってる中国暦(あるいは日本暦)を使うべきだと主張する人もいる。

まさに「諸説あり」なのであるが、僕は当たるのが占いなんだろうと思っているので、当たる方の説を採用したいと思っている。そのためにはもっと多くのデータを集めないといけない。門下生たちの手を借りながら、そんな検証も行なっていきたいと考えている。

 

ここまで読んでいただいて、みなさんの頭の中がウニっていないだろうか。それはウニのような説明しか書けない僕に責任がある。ごめんなさい。

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