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2015年6月26日 (金)

常識が大事

講習会などではよく言っていることなのだが、占いで人や物事を判断する場合、常識が大事なのである。常識を無視して古書の占断の解説などを鵜呑みにしてストレートに当てはめると、ときに、とてもおかしなことになってしまう。

以前にも書いたが、紫微斗数の命盤の場合、全く同じ命盤を持つ人は地球上に何万人といる。その何万人もの人が全く同じ運命を辿るとは、とても考えにくい。なのでその人が生まれた状況や生活している環境を「常識的」に考えて判断するのである。たとえば全く同じ命盤を持った人であっても、現在の東京に生まれるのか、ジャカルタに生まれるのか、シリアに生まれるのか、はたまたキエフに生まれるのか、それによって生活環境は全く異なり、その人生も大きく異なるであろう。また、同じ国に生まれたとしても、時代が変われば同様である。全く同じ命盤を持った人でも、今の大阪に生まれた人と、安土桃山時代の大阪に生まれた人とでは、違った読みをしなければならない。

今、時代が変わればと言ったが、21世紀に生きる我々は、いままで人類が経験したことのないような大きな変化を体験している。紫微斗数で言えば「紫微斗数全書」が書かれた時代と、社会や人の考え方も大きく変わった。占断する際には、それらのことを考慮に入れて判断しなければならないのである。

例えば、中国の占術では、人間の幸不幸を言うのに、貧富、貴賤、寿夭、吉凶、などと細かくカテゴリーを分けて見るが、このうち「寿夭」というのは、長生きか短命かということである。すなわち健康長寿であれば幸運だし、短命であれば薄幸であるとする。ところが、今の我が国の平均寿命は男性80歳、女性86歳を超えた。なので、問占者に「あんた長生きでっせ」と言っておけば、たいていは当たるのである。

日本人の明治はじめ頃の平均寿命は35歳程度、明治終わり頃でも40歳程度であった。そのような時代は、長生きなのか短命なのか、というのは大きな問題であった。とは言え、これはあくまで平均値なので、現代でも不幸にも若くして亡くなる方、あるいは病弱な方もおられる。それをどう読むかが占い師の腕なのである。

他にもわかりやすい例を上げてみよう。兄弟や子供の数は、古書のとおりに判断すると、まず当たらない。古書は5人も6人も子供を作っていた時代のものだからである。我が国の合計特殊出生率は1.5を切った。

また、実際の鑑定の現場では、夫妻宮がいいのに結婚していない人も多く見かける。というのも今の日本の40代では4人にひとりが結婚しないでいるのである。

貧富という物質的幸福に関しても、現代の日本人は、歴史上経験しなかったくらい、物質的な幸福を享受している。おそらくあなたもわたしも、織田信長や聖徳太子よりも、はるかに豪華なものを毎日食べている。時代の変化を考慮して読まないと、正しい判断はできない。

畢竟、占いというものは、得られた象徴を人や物事、森羅万象に当てはめてその意味を考察するという行為である。その際、公式や単純に当てはめればよいという教科書どおりの解はない。わかりやすい変化を例に上げたが、実際はその人個人の置かれた状況をよくよく勘案して、得られた象徴を適用させていくのである。その際、常識が大事なのである。

今年還暦を迎えるある人の年運に桃花の星が巡ったとしても、即ロマンスとは考えにくい(まあ、ゲーテや加藤茶のような例もあるので皆無とは言えないがw)。それよりも、なにか喜びごと、佳事慶事、晴れ舞台、名誉を得る、遊戯飲食というふうに解釈しなければならない。

さあみなさん、「腕」を磨きましょう!

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